Q:神経系リハビリは、整形外科疾患やコンディショニングを求めている私でも受けられますか?
A:ご安心ください。整形外科疾患の方にご協力いただきまして、先日の介入場面を短い動画にまとめました。私たちは、単なる運動を基にした評価だけでなく、多様な視点を持って評価を行い、プログラムを立案しております。ご参照いただけますと幸いです。
Q:リハビリの効果は、どれくらい持続しますか?
A:一時的な「気持ちよさ」だけでなく、「身体の使い方の学習」を目指すため、ご自宅での自主練習と合わせることで効果を定着させていくことができます。こちらのご質問につきましては、ご利用者様たちから協力を得まして、アンケート調査を実施いたしました(下グラフ参照)。

上左図の円グラフのアンケート結果によりますと、自主練習を継続して実施できている方々は全体の85%、できていない方々は15%でした。上右図の棒グラフによりますと、この自主練習の実施が行えている85%の方々は、一回のリハビリ効果を3~4週間程度継続できており、自主練習の実施が行えていない15%の方々は、3日~1週間程度とのご回答をいただきました。
施術直後の変化は数日〜1週間ほどで戻りやすいものですが、自主練習を日常に取り入れることで、脳と筋肉が「正しい効率的な動き」を覚えていきます。この「学習」が進めば、効果は一過性のものではなく、新しい「当たり前の動き」として定着していきます。
Q:自主練習はどのようにして構成されているのでしょうか?
A:まず、ご利用者様たちの協力を得て自主練習を提示している背景としては、神経の可塑性(神経に変化を生むこと)には、いつもと異なる刺激が必要で、この刺激を個々人に合わせて良い方向へ向かっていくことで個々人の目標を達成できるようにしていきます (Dimyan & Cohen, 2016; Emmeneger et al., 2026; Jannatti et al., 2022; Shaffer, 2016) 。そのために、リハビリで受けた新しい刺激を継続的に自主練習で補うことで、次への積み重ねを作ることをご提案しております (Dimyan & Cohen, 2016; Emmeneger et al., 2026) 。
どのような考え方に基づいて自主練習を作成しているかを申し上げますと、下図を御覧ください。ヒトは立っている時に両足からの感覚に基づき、個々人にとって動きやすいように姿勢をとっていると考えております (Gandolfi et al., 2018) 。そのため、身体の各関節間の組み合わせを考えて個別性に基づいた評価を行っております。
例えば、下図では、骨盤の下側からスネの後ろ側までついている「ハムストリングス」という筋肉に固さのある方で申し上げますと(左図)、このハムストリングスという筋肉が伸び縮みすることでお辞儀をしたり、床に座ったりすることもできています(中央図)。つまり、前後方向へは問題なく働きは作れたとしても、天井の方向に向かっては伸び縮みが難しいと判断します(右図)。

このような評価に基づき、個別性を重視した自主練習を作成していきます。これは、整形外科疾患であっても、脳血管疾患であっても、対応が可能です。別の例として、下図では脳卒中後に麻痺のない側の手首に腱鞘炎が出てしまった方を挙げます。一般的には「腱鞘炎」と聞くと手首のみをリハビリする方々が多いと感じております。しかし、この方の場合は「家庭菜園」を趣味にしており、麻痺のない手を主にして行っております。そのため、畑の手入れで野菜をみるときの麻痺のない手の使い方が大きく左側に手を伸ばして、野菜を身体に引き寄せてしまうため、麻痺のない手首に負担がかかってしまうことから、「腱鞘炎になりやすかった」と考えます。

そのため、左側に身体が寄り過ぎないように左側に壁、そして左手を挙げながら左手を「みる」ことで、普段は使うことのない動きの組み合わせとそれに合わせた肩甲骨周りの背骨を含めた身体の軸を作っていきます。
参考文献
- Dimyan, M. A., & Cohen, L. G. (2011). Neuroplasticity in the context of motor rehabilitation after stroke. Nature reviews. Neurology, 7(2), 76–85. https://doi.org/10.1038/nrneurol.2010.200
- Emmenegger, T. M., David, G., Mohammadi, S., Ziegler, G., Callaghan, M. F., Thompson, A., Friston, K. J., Weiskopf, N., Killeen, T., & Freund, P. (2026). Neuronal plasticity during motor rehabilitation training after spinal cord injury. Communications Biology, 9, Article 561. https://doi.org/10.1038/s42003-026-09793-7
- Gandolfi, M., Valè, N., Filippetti, M., Dimitrova, E. K., Geroin, C., Picelli, A., & Smania, N. (2018). Postural control in individuals with Parkinson’s disease. In M. K. Gunel (Ed.), Different Areas of Physiotherapy. IntechOpen. https://doi.org/10.5772/intechopen.81098
- Jannati, A., Oberman, L. M., Rotenberg, A., & Pascual-Leone, A. (2023). Assessing the mechanisms of brain plasticity by transcranial magnetic stimulation. Neuropsychopharmacology: official publication of the American College of Neuropsychopharmacology, 48(1), 191–208. https://doi.org/10.1038/s41386-022-01453-8
- Shaffer J. (2016). Neuroplasticity and Clinical Practice: Building Brain Power for Health. Frontiers in psychology, 7, 1118. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2016.01118
Q:とても身体は丁寧に評価されているようですが、これは初めての利用の時のみでしょうか?
A:毎回のご利用で身体の評価は欠かさずに行います。ご病気やお怪我の有無に関わらず、ヒトは身体の調子は日々異なります。このような日々の微妙な変化も加味した上で、その時、その場所で、ご利用者様の目標や訴えに適したリハビリを提供するため、必ず日々の変化を怠らずに行います。そのため、同じリハビリは毎回行わないことも、当事業所の特徴です。リハビリの効果については、即時性を積み上げて、どれだけ長い期間での効果を繋げられるかも含めて考えておりますため、その都度、説明を行いながらリハビリが変わっていきます。
Q:現在の状況と今後の見通しを知りたいです。どのサービスプランが適しているでしょうか?
A:以下、現在の状況、今後の見通し、サービスプランについて説明いたします。
- まずは「初回体験プラン(または個別評価)」にてお身体を詳しく分析し、現在の状況と見通しをお伝えした上で、最適なプランをご提案いたします。
- リハビリ中やお帰りの際に、お身体の状態を分かりやすくその都度ご説明いたします。「一度に言われても覚えられないかも…」というご不安があれば、ご希望に応じて後ほど文章(LINEや書面など)でお送りすることも可能ですのでご安心ください。
- ご利用者様の「最終目標」を軸に、そこへ向かうための「短期目標」をステップごとにご説明します。ただし、リハビリによる身体の変化や、ご自宅での生活様式・自主練習の頻度などは、お一人おひとり全く異なります。そのため、私たちは「数ヶ月先までの固定されたスケジュール」を無理に当てはめることはいたしません。その日の変化を確実に積み上げ、「次回はここまで目指しましょう」という最も確実で明確な一歩(短期目標)をその都度ご提示しながら、着実に前進していきます。
Q:自主練習について覚えられない場合は、どうすればよろしいでしょうか?
A:ご安心ください。覚えやすいように、動画のプレゼントやイラスト付きの書面など、お一人おひとりに合わせた方法で丁寧にお渡しいたします。私たちは、リハビリの効果を長く維持するために自主練習が大切だと考えていますが、それを「覚えること」がご利用者様の負担になっては意味がないと考えています。そのため、当事業所では以下のような柔軟な対応を行っています。
- スマートフォンの動画でお渡し(ご自身の動きを撮影、またはセラピストのお手本動画)
- パッと見て分かりやすいイラストや文章の書面でお渡し
先日も「動画で復習したい」というご希望があり、実際の動きを撮影してお渡ししたところ、大変喜ばれました(※ページ下部に参考動画を掲載しています)。ご利用者様が「これなら無理なく続けられる」と思える方法が一番です。ぜひ「こうしてほしい」というご希望を遠慮なくセラピストにお聞かせください。
