パーキンソン病の「すくみ足」に運動は本当に効く?最新の研究から分かること
歩こうとしたときに足がすくんで出なくなる「すくみ足」。パーキンソン病をお持ちの方やご家族にとって、転倒につながる不安な症状の一つです。
「運動がいいと聞くけれど、本当に効果があるの?」
「どんな運動をすればいいの?」
そんな疑問に対して、2021年に発表された最新の科学的レビュー(数多くの研究をまとめて分析したもの)が、非常に参考になる答えを出してくれました1。今回は、その研究データをもとに、すくみ足対策として大切なポイントを分かりやすく解説します。
運動には、すくみ足を軽くする「確かな効果」がある
世界中の41件の研究(計1,838人)を分析したメタ解析の結果、さまざまな運動・トレーニングアプローチによって、すくみ足の重症度が中等度に軽減されることが示されました1。「動いてもどうせ同じ…」と諦めてしまうのではなく、体を動かすことが症状の緩和にしっかりつながることが、データとしても裏付けられています。
大切なのは「ただの運動」ではなく「目的を絞ったトレーニング」
この研究で特に注目すべきなのは、「どんな運動をするか」によって効果に大きな差が出るという点です1。
- 一般的な運動(散歩や軽い体操など):すくみ足の改善という点では、有意な効果は確認されませんでした。
- すくみ足に特化したトレーニング:すくみ足のエピソードを減らすことや、その原因に直接アプローチする専用の練習は、しっかりと効果を発揮しました。
ただ漠然と体を動かすだけでなく、「すくみ足を克服するための動作やリズム、体重移動」などを意識した、目的のある練習を取り入れることが何よりも大切だということです。
「やめたら終わり」だからこそ、長く続けられる工夫を
もう一つ、研究が強く警鐘を鳴らしているのが「トレーニングを中止した後の持続効果がない」という点です1。運動を続けている間は調子が良くても、やめてしまうと効果は薄れてしまいます。そのため、すくみ足対策としては「一時的に頑張る」のではなく、「長期的に運動を生活の一部として継続すること」が不可欠です。
毎日の生活に「目的のある動き」を取り入れよう
最新の研究から見えてきたポイントは以下の3つです1。
- 運動はすくみ足の軽減に効果がある。
- 漫然と行うのではなく、「すくみ足対策に特化したトレーニング」を選ぶことが重要。
- 一度きりではなく、長く続けることが大切。
「継続が大切」と分かっていても、一人で毎日続けるのはなかなか難しいものですよね。次回は、この長期的な運動を無理なく継続するための具体的な工夫(キューイングや日常への落とし込み方など)について詳しくお伝えします。
「自分でできる対策を知りたい」「どんな運動が合っているか相談したい」という方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
参考文献
- Gilat, M., Ginis, P., Zoetewei, D., De Vleeschhauwer, J., Hulzinga, F., D'Cruz, N., & Nieuwboer, A. (2021). A systematic review on exercise and training-based interventions for freezing of gait in Parkinson's disease. NPJ Parkinson's disease, 7(1), 81. https://doi.org/10.1038/s41531-021-00224-4


